年貢の納めどき

久々に電車に乗ったら、車内広告がプロジェクト・ヘイル・メアリー一色になっていて、慌てて目を伏せスマホを凝視している。絶対にネタバレなしで原作小説を読んだ方がよいとあらゆる人が勧めているのに、私はまだ手をつけていないのだ。家にテレビはないし、遠出は滅多にしないし、映画館へでも行かなければネタバレにさらされることもなかろうと油断していた。

そろそろ三体を読み始める予定だったけど、同じSFならプロジェクト〜のほうが緊急度が高そう。三体はNetflixで途中まで見てたし。


週報と月報の見直しを進めている。

週報は目標達成へ向けた諸々の進捗を確認するために、月報はこの月に何をしたか記録しておくためにつけるのがよさそうだ。

今まではどっちにも漫然と「できたこと」「変えること」「次のタスク」などを書いており、デイリーログの雑然としたまとめみたいになっていた。自然、内容も重複しちゃってたし。

週報と月報、他の人がやってるのを見て「いいな」と思って始めたものの、何のためにやるかを深く考えないまま、ここまできていたのだ。さすがにそろそろ考えねば。年貢の納めどきというやつだろう。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

入手しやすさと使いやすさのバランス

高円寺ひとはこ古本市へゆき、出店していた知人にご挨拶をし、同じく出店していた友人に先日渡し損ねていたものを渡し、会場をぐるっと回って『猫っぽいですね』という小説(ZINE)を買い、ずっと気になっていた『配色アイデア手帳』も買った。

小説はなんだかテンポ感というか、読み口が良い意味で若々しく、こういうものって最近手に取らなくなったなと思ったので買ってみた。読み進めるたび、こういう順番で情景描写をするとキャラクターが若く見えるのだな、とか、会話の感じが今っぽいなあ、とか、新たな発見があってとても楽しい。大学生が主人公のものを久々に読んでいる。


高円寺からの帰り道にSmithへ寄り、ロルバーンダイアリーの3月始まりをチェックした。事前の情報で知っていたが、やはりXL(B5)サイズのリングノート状のものは販売されていなかった。ロルバーンのXLサイズ、かなり使いやすいかもって思い始めているところだったのに……。

今は2025年10月始まり・XLサイズのロルバーンダイアリーを使っていて、これを使い終わると、ロルのダイアリーは全サイズを試し終えたことになる。

入手しやすさと使いやすさのバランスを考慮するならA5なんだけど、XLの広大さも好ましく、悩ましい。

ひとまず今のXLを楽しみ、同じく2025年10月始まりのA5とLを使い終えてから、今後のことを考えていこうと思う。


駅前のユザワヤへも行った。

文庫本を持ち歩くための簡単なブックケースを作ろうと思っており、それらしい色の毛糸がほしくて売り場を三十分ほどさまよったが、結局買わずに帰ってきた。

むやみに糸を増やさず、まずは微妙に余っている毛糸たちで編んでみて、使いやすそうだったら次を検討しよう。そうしよう。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

やけに手に馴染む

この「投稿画面を開いたタイミングで頭にあることを書き出す」というスタイル、やけに手に馴染む。他にもどこかでやってる気がするんだよな……と日記を始めた初日からモヤモヤ考えていて、いま思い出した。「瞬記」だ。

「文具ウェブマガジンpen-info」はyoutubeで見つけて、ブログも読むようになった。

「瞬記」についての詳しいところは元記事をお読みいただきたいが、ざっくりかいつまむと、「ノートを開いたその瞬間に思い浮かんだことを書き出す営み」のことを指す。日記の瞬間バージョンだから、瞬記。

存在を知った当初は、カキモリのオーダーノートのB6サイズに瞬記をつけていた。そのあとカキモリノートを別のことにも使うようになり、瞬記はなんとなくデイリーノートに吸収されていった。


カキモリのオーダーノートB6サイズには、最初はお出掛けの記録をつけていて、そのうち手帳会議に使うようになり、そのあと瞬記のターンを経て、編み物記録をちょっと書いたりもしたけれど、今はまた脳内会議的なノートに戻っている。

カキモリさんで作った初めてのオーダーノートなので、最初はちょっとやりすぎなくらい丁寧に使っていた。が、最初なのだからこそ、次からのために様々な使い方を試しておこうと思い直し、なんでもかんでも書いてみるようになって今に至る。

近々2冊目、今度はB5サイズのものをオーダーしにゆく予定がある。それまでには初代B6を使い切って、綴じてある紙の交換を依頼できるようになっているだろうか。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

ソースにあたろう

日記の区切り線の色と太さ、追加CSSで無事に調整できた。

ワードプレスの区切り線はcolorで線の色が指定できるよう、classで指定されてるんだね。hrの線の色はbackground-colorで指定するという思い込みから、ややネットの海を彷徨いました。

面倒がらず最初からワードプレスのブロックをHTML表示して、内容物を検めるべきだった。まずはソースにあたろう。


今日は社会とつながるタイプの仕事の日だった。

たまの打ち合わせを除けば、ずっとひとりで在宅作業をしていても問題なく仕事が完結する。そういう職種のフリーランスなのだけど、今は週に3日くらい、自分以外の人とゆるく連携しつつ作業を進める日がある。

定期的に社会とつながる日があると健康によい。眉毛の描き方も忘れなくなるし。


週報と月報について考えている。

今のフォーマットでも悪くはないのだけど、最適ではない気がしている。特に週報。なんだかんだ水曜日くらいに週報を書く日が増えてきちゃっており、これってつまり週報の項目立てが良くないんだろうなあ、と。書き出しにくいのだと思う。

何のために報を残すのか深掘りし、項目を精査するタイミングを設けましょうね。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

ちまちま整える

友人とのWEB交換日記が楽しいものだから、お当番ではない日にも日記を書きたくて、このWEBサイトを整備しはじめた。

ちまちまとデザインを調整するのがとても楽しく、あっという間に時間が溶ける。ようやくそれなりに満足いく形になってきた。


このサイトはWordpressで作成している。

WordPressは様々なプラグインを導入することで便利な機能が追加されるのだが、今日は前サイトからのプラグインを使ったリダイレクト設定がどうしても上手くゆかず、結局.htaccessファイルを直接いじった。

難しい諸々がワンクリックでポンと設定できる便利さはとてもよくわかる(し、私もその便利さをたびたび享受している)のだけれど、困ったことが起きたときに、その原因を見える形で突き止めることができる仕組みのほうが、安心して使っていられるたちなのだと思う。私は。


今ちょっとプレビューしてみたら、区切り線の色がちょっと濃いし、下のマージンが少ないような気がする。毎回設定するのはダルすぎるので、CSS調整でなんとかならないか調べてみよう。


じわじわ編んでるスパイラルソックスが佳境に入っている。編むのが早いほうではないので、編みあがった頃には春かも。でも春先って冷えるし、あったかウールソックスを使い始めるのに悪くない季節なんじゃないでしょうか。

このソックス、もともとは手袋を編んだときの余り糸で編んでいる。手袋には2~3玉あればよろしいとわかっていたのだが、手芸店の魔力によって10玉入りの大袋を買ってしまったため、余った黒のウール糸を消費するために編み始めた。スパイラルソックスは高い伸縮性をウリにしているため、糸がじゃんじゃか消費されていって気分がよい。


日記というカテゴリで公開する記事だけれど、いざ書いてみたら、今日あったこと以外も混じっている。

まあよいでしょう。投稿画面を開いたときに思い浮かんだことを書いてゆくことにします。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

2025年|なんだか楽しいお祭りに参加した時期があったな

ウォンバットやしろさんが企画されたアドベントカレンダー、「一次創作イベント・合同誌主催や創作者に寄与する活動をしている人が1年を振り返る Advent Calendar 2025」に寄せて。

やまおり亭と申します。小説やエッセイを書きつつ、オンラインで「紙本祭」というオリジナル紙の本&紙もの即売会を主催したり、東京は吉祥寺で「招文堂」という文芸同人誌に特化したシェア型本屋の主催をしたりしています。

2025年にやったこと

紙本祭7|オリジナル紙の本&紙ものマーケット主催

だいたい年に一度、11月の頭に開催しているオンラインイベント。

オリジナルの同人誌や紙もの雑貨、ペーパークラフト、原画等を販売する作家さんが集まるお祭りです。

紙本祭WEBページ

2025年もオンライン即売会サービス「ピクリエ」様を会場として使わせて頂きました。

2Dマップ上の会場を、これまた2Dのアバターで歩き回ってお買い物ができるサービス。会場内のチャットやエモーティコンで交流をすることも可能で、自宅に居ながら、PCやスマートフォンでイベントを楽しめるのが魅力。

ここ数年はピクリエ様を贔屓しがちなやまおり。痒いところに手が届く細やかな仕様のアップデートがあるだとか、お品書きページの設定がしやすいとか……理由は様々あれど、私がぐぐっとピクリエ様に傾いた大きなポイントがひとつあります。

それは、アカウント取得時に生年月日を記入する必要があり、未成年は成年向け作品取り扱いサークルを閲覧できないという仕様が存在すること。

この仕様によって、サークルさんの設定ミス、および主催の情報の周知不足による、「未成年がうっかり成年向け作品を閲覧・購入してしまう」という事故がかなり減ります。オンラインイベント主催と参加者各位が大変に気を揉み、トラブル防止にリソースを裂いているだろう課題の、大幅な処理負荷軽減

ひとり主催ゆえにリソースの限られているやまおりは、ココでピクリエ様に惚れました。いつもお世話になっています。

最々初期の「イベントページが重すぎて会場に入れない&アバターが動かせない」問題もかなり早期に解決され、どんどん機能改善が入り、日々使いやすくなっているピクリエ様。今オンラインイベントを開きたい方に相談されたら、やまおりが一番におすすめするサービスですよ。

イベントの細かい振り返りはこちらの記事にまとめています。今回は久々に、イベント参加者さんを対象としたアンケートを実施。

紙本祭7|ご参加のお礼_ふりかえりと次回の予定

諸々の事情からアンケートを取りやめていた紙本祭ですが、やはり参加者さんの生の声を聞けるのはいいものですね。主催の気づいていなかったポイントをそっと教えてくれる方もおられて、大変ありがたい…! ご声援もご意見も、どちらもすごくうれしかったです!

紙本祭8は2026年10月31~11月1日で開催!

来年、2026年の紙本祭8も、ピクリエ様での開催。

ハロウィンをまたぐ開催ということで、今回は夜スタート、翌夕刻に終了としています。

紙本祭8|オリジナル紙の本&紙ものマーケット(@ピクリエ様)

年末年始にサークル参加募集を開始する予定ですので、ピクリエ様のイベントページを「お気に入り」登録してお待ちいただけると嬉しいです!

文芸テーマアンソロジー『おまねき vol.4 まほろし専門店街』発行

東京は吉祥寺にて、やまおり亭は「招文堂」という、文芸同人誌に特化したシェア型本屋を運営しています。

そのシェア型本屋にて、年1で刊行している文芸誌、それが『おまねき』です。

vol.4にあたる2025年11月発行誌のテーマは、「●●の専門店」

上記のテーマにそった文芸作品を募集し、今年は23名の作品を「おまねき」することができました。

通販やってます

どんな想いで作っているか、どんなふうに作っているかは、昨年のアドベントカレンダー記事内「文芸テーマアンソロジー『おまねき vol.3 瓶詰めコレクシオン』発行」の項に書かせていただいております。よろしければご笑覧くださいませ。

招文堂が文芸誌を発行するのも、これで4度目。

回を重ねてきただけあり、今回は過去最高のスピードで、参加者さん方への献本作業を完了させることができました!

……編集作業? それは、まだまだ、私なぞは。

ファイルの作り方、表紙のご依頼の仕方、入稿など、そこそこ手馴れてきた作業がないではないのですが……やはり文芸誌の編集作業において、一番大切、かつ比重が大きいのは、各作者さんとの原稿のやりとり&コミュニケーションだと愚考します。

そうなると、もう、私なぞは……本当に、まだまだ。お馴染みの作家さんが相手でも、初めてご一緒する作家さんが相手でも、いつもうんうんと悩み込んでしまいます。

それでもなんとか4回も本を発行できたのは、ひとえに原稿を預けてくださる作家さんがおられるから。それを強く感じたのは、今回の文芸誌の初売りの場、文学フリマ東京41のイベント会場でのことでした。

「●●さんの作品が載っている本はどれですか?」「◇◇さんが新作を書き下ろしたと聞きました」など、原稿をお寄せくださった作者さんを名指しで『おまねき』を買いにきてくださる方が、これまでになく多かったのです。

文芸誌を販売するとなると、キャッチーなテーマ設定や宣伝などについ頭がゆきがちです。ですが、それらを主宰が頑張ったから……それだけの理由で、本が売れてゆくわけではない。

日頃から招文堂を気にかけてくださる方がいるから。招文堂になら原稿を預けてもいいかなと思ってくれる方がいるから。そして原稿を預けてくださった各作家さんの、地道な日々の活動があるから……そんないろんな方の頑張りが主宰の頑張りを後押ししてくれて、それではじめて、本は売れてゆくのでしょう。

おかげ様で、『おまねき vol.4 まほろし専門店街』は初売りである文学フリマ東京41にて、持ち込み分が完売しました。やったー! うれしい!

ただ、バックナンバーふくめ、在庫はまだまだございます!

2026年1月末まではココで通販やってます し、2026年1月12日開催の「もじのイチ ~おいでよ創作文芸同人誌即売会~ #3」内【イ-03山折書亭】のブースでも販売しております。

2026年2月からは、やまおり亭が在庫を引き継いで販売してゆきますよ。

増刷予定はございませんので、気になる方はおはやめに。

文芸同人誌のシェア型本屋・招文堂を畳みます

やまおり亭が2022年の5月から主催していた文芸同人誌のシェア型本屋・招文堂。このお店を、2026年1月末をもって閉店することといたしました。

閉店のお知らせ

招文堂では、さまざまな文芸同人誌の作者さんが本棚ひと箱ぶんの書店店主となり、自著専門のひと箱本屋を運営しています。棚を貸し出すだけではなく、お店番やイベントの主催など運営面も店主の皆でシェアしているので、「棚貸し」ではなく「シェア型」の本屋。

小さく営んでいた店でありましたが、ほうぼうから閉店を惜しむお声をいただき、ありがたさを噛みしめる日々です。これだけたくさんの方に気にかけていただいていたからこそ、小さな招文堂がここまでやってこられたのでしょう。本当に、ありがたい限りです。

いったいぜんたい、何がどうしてこの店を畳むことになったのかという話は、文学フリマ東京41にて発行したフリーエッセイペーパー『招文堂てんやわんや 来年1月に閉店するシェア型本屋主催の17日間』に記載し、無事完配となっています。

その中から、17日目である11月22日の項を転記し、やまおり亭の来年の展望といたしましょう。

とはいえ招文堂の店舗は2026年1月31日まで空いていますし、通販も同日21時まで注文を受け付け中。

ぜひ最後まで、招文堂を楽しんでいただければ幸いです。

2026年のやまおり亭|『招文堂てんやわんや 来年1月に閉店するシェア型本屋主催の17日間』より

11月22日(土)

 閉店の旨を店のブログで公開し、今、このエッセイを書いている。お疲れ様でした。

 とはいえ来年1月まで店は通常営業だし、そのあとは怒涛のお片付けが待っている。店のポストカードラックや小さなカウンター、大きな本棚の引き取り手を探さねばならないし、もし行くあてがないなら廃棄の手筈を整えなければ。
 やることは山積みである。

 すべてが終わるのは2月末。
 何もかも終わったら、まだ寒さが残っているうちに、温泉にでも浸かりにゆきたいところだ。

 ぜんぶ終わったら何をしよう、と考える。

 とある店主さんに閉店を伝えた折、「やまおりさんはずっと人のお手伝いをしてきたのだから、終わったら自分のために時間を使ってくださいね」という趣旨の言葉をもらった。とても嬉しく、同時に、正直、すこし意外だった。私は自分のやりたいことだけをやり、やりたいようにふるまってきたと思っているからだ。

 夫にこの話をしたら、「全面的にその人が正しい」と太鼓判を押されてしまった。なるほど、岡目八目。そばにいる人のほうが、私よりよほど、私のことを理解してくれているものなのかもしれない。

 ぜんぶ終わったら何をしよう。

 じっくり腰を据えて小説を書いてもいいし、山のような積読を崩すのもいいし、たまに趣味で撮影している手帳やノートに関するyoutube動画の投稿頻度を上げてみてもいいし、去年から編みかけのポットカバーを仕上げてもいい。

 否応なくやってきた人生の転機。くるりと回らねばならぬなら、ここらでひとつ、ひとりきりだからこそできることにこの身を預けてみるのも一興だ。

 こんなふうにあっさりと方向転換できているのは、これまでたくさんの人に支えられ、たくさんの人とかかわりながら店をやってきたからこそだろう。誰かと一緒だと、大きなことができる。できた実績があるから、ひとりでも、ちゃんと楽しく何かをつくってゆけると信じられる。

 そういう自信を、まわりの人々が私にたっぷり注いでくれた。

 やりたい放題やってきた身なので、私が他の人に何か注げたのかどうかはわからない。わからないが、なんだか楽しいお祭りに参加した時期があったな――招文堂のことがそんなふうに、記憶の片隅に残ってくれたら嬉しいなと思う。

 改めて、これまでありがとうございました。
 次は招文堂の主催ではなく、やまおり亭としてお会いしましょう。
 それでは、また。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

2024年から2025年|小さなものを集めていく

ウォンバットやしろさんが企画されたアドベントカレンダー、「一次創作イベント・合同誌主催や創作者に寄与する活動をしている人が1年を振り返る Advent Calendar 2024」に寄せて。

やまおり亭と申します。小説やエッセイを書きつつ、オンラインで「紙本祭」というオリジナル紙の本&紙もの即売会を主催したり、東京は吉祥寺で「招文堂」という文芸同人誌に特化したシェア型本屋の主催をしたりしています。

2024年にやったこと

紙本祭6|オリジナル紙の本&紙ものマーケット主催

だいたい年に一度、11月の頭に開催しているオンラインイベント。

オリジナルの同人誌や紙もの雑貨、ペーパークラフト、原画等を販売する作家さんが集まるお祭りです。

紙本祭WEBサイト

2024年はオンライン即売会サービス「ピクリエ」様を会場として使わせて頂きました。ピクリエ様は、2Dマップ上の会場を、これまた2Dのアバターで歩き回ってお買い物ができるサービス。会場内のチャットやエモーティコンで交流をすることも可能で、自宅に居ながら、PCやスマートフォンでイベントを楽しめるのが魅力です。

紙本祭が発足したのは、コロナ禍によってリアルイベントが収縮し始めた2020年。当初はオンラインイベントそのものの珍しさも手伝ってか、出店スペース数が300を超えることもあるような大所帯のイベントでしたが、最近はリアルイベントの復活とともに、開催規模もほどよい落ち着きをみせています。

ここ2年ほどの出店お申し込み数は、おおよそ100スペース前後。「細々継続」を掲げる紙本祭としては、いい塩梅に収まりつつあるのかも。

ずっとお付き合いくださっている方も、ときどき顔を出してくださる方も、いつも本当にありがとうございます。

開催規模がいい塩梅に収まり、余裕ができたからでしょうか。昨年からのよいご縁が繋がり、図らずも嬉しいお声かけを頂いたこともあって、今年は当日のイベントとゆるやかに繋がる3つの「おたのしみ企画」を同時開催することができました。

架空ストア様「架空のK便鉄道」とのコラボ

委託通販・架空ストア様のキャンペーン「架空のK便鉄道」とのコラボ企画。

「架空のK便鉄道」とは、この企画の対象商品が一つでも注文に入っていれば、架空ストア様での送料と支払手数料が無料となる太っ腹なキャンペーン。

イベント当日から7日間、紙本祭に出店している作家さんの作品を対象とした「K便鉄道」が架空の町を駆け抜けました。

こちらのコラボは昨年から引き続き、2度目の開催。昨年のコラボ企画では、出店者さんからもお買い物をする一般参加者さんからも大変なご好評を賜りまして、架空ストア様がこれまで積み上げてこられた委託通販サービスとしての実績と、作家さん方からの確かな信頼を感じました。

その手ごたえは、今年も変わらず……いえ、昨年にも増して、じんわりふわりと熱量が上がってるような気がしています。

コラボの申し込みやすさ、架空ストアご担当者様からの誠実ながら愛嬌の滲む優しいメール、確実なお仕事、小回りをきかせながらも締めるところはキッチリやってくださるバランス感。そして何より、「架空のK便鉄道さんとコラボしますよ」と公表したときの、参加者さん方からの「やったね」のお声……ついつい、他のイベント主催者さんにオススメをしたくなるのが「架空のK便鉄道」のすごいところです。今年もありがとうございました!

そんな「架空のK便鉄道」ですが、2024/12/27(金)12時までは架空ストア様が主催する特別な便が走っているそう。その名も「夜明けのマッチ売りR6」。特設ページをぜひ覗いてみてくださいね。

「もじのイチ#2」様との連動企画

「もじのイチ~みんなの創作文芸同人誌即売会~#2」というイベントが、2025年1月5日に開催されます。間もなく!

もじのイチ様WEBサイト

紙本祭6では、紙本祭に出店申し込みをなさった方全員に、「もじのイチ#2」様への各種お申し込みに使える500円OFFクーポンを発行するという連動企画を実施させて頂きました。

主催のトオノキョウジ様には、クーポン配布の直前までいろいろとご相談をさせて頂きました。その節は本当にお世話になりました!

関東圏では定期開催されている歴史ある文学系イベントが盛況を極め、めでたいことではありながらも、「私には大きくなりすぎているかも」と感じる方も増えているなか、もじのイチ様は本当に「ちょうどよい」サイズ感のイベントなのではないでしょうか。

連動企画を公表するや否や、紙本祭には「もじのイチさんのクーポンって〇〇にも使えますか?」「もじのイチさん情報はいつ出るのでしょうか」とのお問い合わせが多数。出店者さんサイドの熱量と期待が、とても高いイベントだと感じました。

かくいう私も、個人の「やまおり亭」名義で「もじのイチ#2」に出店予定。どんなイベントになるか、今から本当に楽しみにしています!

そうそう。このアドベントカレンダー企画の存在を教えてくださったのも、もじのイチ主催・トオノキョウジ様でした。今回の連動企画がなければ、私はこの記事を書いていなかったかも……そういった点からも、トオノ様には大変に感謝をしております。

紙本祭6ポップアップストアin招文堂

東京は吉祥寺に、文芸同人誌に特化したシェア型本屋・招文堂という店があります。その招文堂にて、2024年7月13日~8月12日の1か月間、棚を借りまして、「紙本祭6ポップアップストア」を開きました。

紙本祭に関心のある方々から作品をお預かりし、期間限定の店頭販売&通販を行う企画です。

オンラインイベントである紙本祭ですが、開催当初から「リアルではやらないのですか?」とのお声を寄せて頂いていました。あの頃はとても考えられなかったことですが、今の紙本祭なら、あるいは……と、数年前から狙っていたのです。

会場として選んだ招文堂は、文芸同人誌に特化はしているけれど、「棚の半分くらいが文芸なら、それ以外も置いていいよ」としているお店。その規約に甘えて10名ほどを先着順で募集したところ、ありがたいことに文芸と漫画、絵本、イラスト系が半々になるような具合でお申し込みがありまして、無事、紙本祭側でのくじ引きなどを行うことなく皆さんの作品をお預かりすることができました。

とはいえ、店頭に並べるだけでは作品の存在を知ってもらうのも難しいこと。

というわけで吉祥寺の駅前で定期開催されている「ハモニカ横丁中央通り朝市」に作品を持ち出したり……

オンラインイベントらしく、YouTubeにて作品紹介動画を公開したりもしました。

紙本祭としても招文堂としても、何もかもが初めてで手探りだったこの企画。参加者さん方の温かなご声援とご協力があったおかげで、なんとか無事に終えることができました。

文芸同人誌に馴染みのある招文堂の常連さん方や朝市のお客様方が、紙本祭6ポップアップストアの小説やエッセイに目を留めては「あ、新作入ってるね」とニコリとなさり、イラスト集や漫画などを立ち読みなさっては「漫画の同人誌って、コミケで売ってるアニメの本だと思ってたけど、こういうのもあるんだね」と面白そうに眺め、買っていってくださったのが印象的でした。

そう、こういうのも、たくさんあるんですよ。

文芸テーマアンソロジー『おまねき vol.3 瓶詰めコレクシオン』発行

さて、先述した「招文堂」。実はやまおり亭の主催するもうひとつの場であります。(だからこそ、紙本祭6ポップアップストア企画のなんと進めやすかったことか!)

改めてご紹介いたしますと、招文堂は東京・吉祥寺駅から歩いて8分ほどの場所にある、文芸同人誌に特化したシェア型本屋です。

さまざまな文芸同人誌の作者さんが本棚ひと箱ぶんの書店店主となり、自著専門の本屋を運営しています。棚を貸し出すだけではなく、お店番やイベントの主催など運営面も店主の皆でシェアしているので、「棚貸し」ではなく「シェア型」の本屋。

この招文堂が年に1冊発行している文芸テーマアンソロジーが、『おまねき』です。2024年、vol.3のテーマは「瓶詰」で、総勢23名の作家さんが集まってくださいました。

https://www.shobundojinshi.com/product/-vol-3-/148?si=true

招文堂は「文芸同人誌」に特化した「シェア型」本屋。まだまだ一般的ではない単語を説明文に2つも抱え込んでいる上、店があるのは駅から少し離れたマンション2階の、奥の奥。屋内に据えられたパン焼き小屋の向かいに位置する、ちょっと得体の知れないお店です。

得体の知れない店にいきなり飛び込むのはハードルが高いけれど、どんな人たちが何をしているのかちょっとだけ覗いてみたい。もしくは文芸同人誌を作ることに興味があって招文堂を訪ねてみたはいいけれど、いきなりひとりで1冊の本を作り上げるのは難しそう……そういった方々を招文堂に、そして「文芸同人誌制作」という楽しい世界へ“お招き”する方法のひとつとして、アンソロジー『おまねき』の企画は立ち上がりました。

同好の士=いま招文堂に関心を寄せてくれている人たち

『おまねき』は寄稿者さんに参加費を頂く代わり、完全公募制を採用しています。印刷して世に出す以上、作品内容にかんしてある程度の制約やお願いごとはありますが、招文堂が書き手を選ぶことはありません。

そもそも「文芸同人誌」は――今でこそ個人でも作れるようにはなりましたが――本来は「同好の士が集まって作る本」です。店の看板にこの言葉を使わせてもらっている招文堂がアンソロジーを作るからには、ただの傑作選ではなく、同好の士が集まって作る一冊にしたい。

となれば場を主催しているだけの「やまおり亭」が掲載作品の方向性を強く打ち出したり、作家さんを選んだりすることで、他の方々の表現を邪魔してしまっては本末転倒。しかし、何かしらの基準がなければ同好の士を集めることもできない……

ぐるぐると考えた末、「今『招文堂に関心を寄せてくれている人たち』は、つまり『同好の士』と言って差し支えないのではないか」――そんな結論にたどり着きました。『おまねき』を「今、招文堂に関心を寄せてくれている人たちの作品を紹介する本」として作っていくことにしたのです。

書き手を選ばないかわり、預かった原稿をできるだけ「作者さんのやりたいことと矛盾しない範囲で、文芸作品として多くの人が読み通せるもの」にしていく作業については、手を抜かないようにしようと決めました。

具体的には、お預かりした初稿をやまおりが拝読し、文章内の誤字脱字/語の誤用/論理や展開の矛盾など「表現したいことが意図せず阻害されていそうな部分」を可能なかぎり解消していけるよう、指さし確認としてのチェック稿を作成。そのチェック稿を寄稿者さんそれぞれとやりとりしながら、入稿用の原稿を仕上げていきます。

間違いの指摘ではなく、あくまで「この語は意図したとおりに機能していそうですか?」とお伺いを立てるような気持ち。ちょっと口を出し過ぎかしらと思い悩むこともありますが、しかし、それでも。一度「これって作者さんの意図どおりに読まれないかも」と気づいてしまったら、面倒でも、気が引けても、例えお叱りを受けたとしても指さし確認をすることにしています。

指さし確認にこうもこわだっているのは、私がただの「主催」というシステムではなく、自分でも文章を書いている「やまおり亭」という人間だからなんでしょう。アンソロジーの主催と寄稿者という関係ではなく、ものを書く人同士として、原稿を寄せてくださる方々と向き合えていたらいいなと思っています。

個人主催の、いい塩梅

ここ数年で、いくつか「表現のための場」を主催してきました。大規模なものだと参加者さんは300名超え。小規模なものだと10名ほど。50名前後のものも、ちらほらと。

どんな規模の場に対しても、おなじだけの熱量でもって取り組んでいたつもりです。つもりでしたが、規模が大きくなればなるほど、どうしても個人では手が回らなくなり、取りこぼしてしまう部分が出ていると感じていました。

でも、取りこぼすってなんだろう? 私はいろんなものを抱えこんでいる気になっているけれど、本当にこれって私の持ち物なのかな?

そんなことを考えるようになった2024年の終わりごろ、ようやく気づいたことがあります。どうやら私は、自分で思っているよりもずっと、「小さなもの」が好きみたいなんです。

小規模にものを作っている出店者さんがたくさん集まって、イベントが開催できると嬉しい。小さな文芸同人誌の書店店主さんが集まって、ひとつの店になっていると嬉しい。ひとりで大きなものを抱えるんじゃなくて、小さなものをたくさん集めて、大きなものにしたいタイプなのかも。

私はもとより我侭で傲慢。読みたい本がないからと自ら筆をとり、出たいイベントがないからと自ら主催をしてしまうような、よくばりな人間です。

たくさんの方々から力をもらって、そのよくばりの方向性に気づくことができた。初心に立ち返って、小さなものがたくさん集まってくれる楽しみを、もっと思うがままに、皆と一緒に味わっていこう。そう思えた一年でした。

例えば次回の企画を考えるなら、ひとりで出来る限りに頑張るのではなくて、まわりにいる人たちの力を意識的に借りてみよう。そうすればきっと、何か新しい形が生まれるだろうな。

例えばイベントに問い合わせが来たら、主催と参加者ではなく、ものを作っている私とあなたとして、いつもの私が誰かと向かい合ったときのように会話をしてみよう。そうすればただQにAを返すだけではなく、お互いの考えていることを知った上でのよりよい答えを探せるかもしれないな。

こんなふうに思い直せたのは、ここ数年でたくさんの「表現する場を営む人たち」に出会えたのも大きいと感じています。その人たちの考えることを読んだり聞いたり、時には直接言葉を交わしたりする中で、自分が自分のために、自分自身の必要としている場を営み、営み続けることが、暮らしていくことと緩やかに結びついてきたのかも。

場を営み続けていくことと暮らしていくことは、本来、切り離しようのないもの。その事実に、たくさんの人たちのいろんな思いを知っていくうち、ようやく気づいたと言ってもいいかもしれません。

つくづく、ご縁っておもしろいなあと感じる年末でもありました。

2025年の予定

来年は己の欲望に、より忠実に。「小さなもの」を集める活動を続けていきたいと思っています。

紙本祭7は例年通り、2025年の11月に開催予定!

出店者さんの募集開始は来年頭になるはず。続報はWEBサイトや各SNSでご確認ください。

また紙本祭7では、イベント内プチオンリー企画の募集ができないかしらと計画中。これはまさに、小さなものを集めたい、という主催の欲望が忠実に表れた考えです。うまくいくといいな。

『おまねきvol.4』2025年も作品を募集します

次回より『おまねき』は、アンソロジーではなく文芸誌を名乗ろうと思っています。というのも先述の通り、おまねきには選者がいません。vol.1からずっと、載せるべき作品を招文堂が選ぶのではなく、お招きに応じてくれた方をお迎えする形式をとっています。その形式に、より沿った言葉を使ってゆきたいと思った次第。

完全公募制の文芸誌『おまねき』を、来年もよろしくお願いいたします。作品募集はこれまた来年頭に開始する予定ですので、続報はWEBサイトや各SNSでご確認くださいね。

文芸同人誌のシェア型本屋・招文堂。店主さん募集中

自著専門のひと箱本屋を営む店主さん、まだまだ募集しています!

文芸同人誌が1冊でもあれば、棚を開いて頂けます。お申し込みとお問い合わせは、いつでもお気軽に。

おわりに

以上、やまおり亭の、2024年の振り返りでした。

素敵な企画を立ててくださったウォンバットやしろ様、改めて、ありがとうございました!

ようやく自分の担当日が終わったので、やまおりはこれからお茶でも飲みつつ、ゆったりと他の参加者さんたちの記事を読むことにいたします。たのしみ~!

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

すいとん自由形

もりもりご飯アドベントカレンダー「辛さを爆破する(したい)食事メニュー表 Advent Calendar 2024」へ寄せて。

「辛さ」とは「寒さ」である。

師走の中旬、めっきり冷え込んできましたね。しかし、ここで言う「寒さ」は気温によるもののみにあらず。

仕事が予定通りに進まなければ、肝が冷える。小説やエッセイの執筆が思い通りにいかなければ、己の無力に、そしてすべてを成し終えた後のビールが今夜もまたお預けとなる未来に胸が寒々しくなる。そしてお金がなければ懐が寒い。寒いとすべてが辛い。

ただ「寒い」のもよくないが、もっとよくないのは「なんだかずっとうっすら寒い」という状態だ。

思うに、「なんだかずっとうっすら寒い」というのは、慣れない長襦袢を適当に羽織り続けている様によく似ている。動くたび制御しきれない薄膜が身体に纏わりつき、羽織っているだけの何かが定期的に肩からずり落ちるのを片手間になんとかし、片手間になんとかし続けているものだから最後には引きずっているモノの裾がこたつ机の上に置いてあったマグカップを倒し、淹れたてのインスタントコーヒーが賃貸の畳にぶちまけられる。こうなる予感はなんだかずっとうっすらあった。やっぱりこうなったね。あーあ。何もかもがオワリです。

何もかもがオワリ。こんなときは、疲れて頭が回らずお金もあまりかけたくなくっても融通無碍にやれる最強の一品、すいとんしかない。

すいとん。それは小麦粉を水で練り、団子状にして茹で、茹で上がったものを汁で煮て味わう料理。粉を練って茹でて味をつけるだけだから頭を使わないし、茹でる系の料理は調理過程で身体が物理的に温まる。炭水化物の塊と汁を同時に食べるから腹にも溜まりやすい。簡単であったかくてお腹いっぱいになるすいとんで、この冬はありとあらゆる辛さをまとめて爆破していこう。

【材料】

  • 小麦粉
  • (あれば)片栗粉
  • 好みの調味料かスープの素

まず、フライパンになみなみと水を張って火にかける。鍋も持ってはいるのだが、十年以上前に買った代物だからとっくの昔にテフロン加工が剥がれている。この鍋ですいとんを茹でると鬼のようにこびりつくので、作るときはフライパン一択だ。こっちはまだテフロンが生きてるから洗いやすいし。

湯を沸かす横で、小麦粉をどんぶりに入れる。カレースプーン山盛り4杯ほどだろうか。山は高ければ高いほどよい。もし家にあれば、同じくカレースプーンで片栗粉も山盛り2杯ほど入れる。

「もし」などと前置きをしたが、私の場合、片栗粉は絶対に入れる。片栗粉を入れるとすいとんが「もちもち」「ぷるん」となる。私はすいとんもうどんも水餃子も、とかく小麦粉を練って茹でて作る炭水化物にはもちもちぷるんとしていてほしい派なのだ。なんなら小麦粉と片栗粉を1:1にしたっていい。業務用の1Kg入り片栗粉を買おう。

こうしてできた粉類の山に、塩を適当に追加する。カレースプーン半分くらい?

次に、キッチンの蛇口からどんぶりへと、ちょっと控えめに水を注ぐ。カレースプーンで練る。レシピサイトなどを見ると「すいとんのタネは耳たぶくらいの固さ」なんて書いてあるが、こんなもんその日の雰囲気でよい。固いなと感じたら水を足し、緩いなと感じたら粉を足しながらおいしそうな塩梅に調整していく。最悪、ホットケーキのタネくらいの固さがあれば食べられるものになる。

このへんで湯が沸いてくる。すいとんのタネをスプーンですくって、湯に落とす。それを、フライパンの底が6割ほど埋まるまで繰り返す。タネがどんぶりに余るかもしれないが、それでいい。余ったタネはどんぶりにスプーンを突っ込んだまま脇によけておく。

コンロの火と湯気で暖を取っているうち、すいとんたちがフライパンの底から剥がれて湯の中を転がりだす。茹で上がり始めたのだ。ものの本によると火が通ったすいとんは湯の上に浮いてくるらしいのだが、底の浅いフライパンで茹でているものだから、はたしてこのすいとんたちが浮いているのか、転げまわるうち偶然にも湯から頭を出しているだけなのかはわからない。

ほどよいところで、中くらいのサイズのものを湯から拾い上げて齧ってみる。煮えている雰囲気なら、湯に味をつけていく。茹で湯とスープの湯を別々に用意するような面倒くさいことはしない。茹で湯には小麦粉がちょっとだけ溶けていて、とろっとしている。蕎麦湯のようなものだと思えばよろしい。

ここでとうとう最後の材料、「好みの調味料かスープの素」の登場だ。私は疲れていると中華っぽい味がほしくなるので、鶏ガラと醤油と酢を湯に入れる。もしあれば、ごま油とかラー油もちょっと入れる。調味が面倒なときは、たまごスープの素なんかを溶かすとちょうどいいスープになる。

茹で湯がスープに変わる間も、すいとんは茹でられ続けている。汁椀を用意し、お玉で汁ごとすいとんをすくって盛り付け、立ったままその場で食べる。2、3個をはふはふとやって喫緊の飢えをしのぎ、ひと息つく。フライパンの中ではすいとんが躍っている。躍るすいとんには触れぬよう、そっと、余っていたタネを湯の中に投下していく。このあたりですいとんは焼肉食べ放題の様相を呈してくる。椀の中にあるすいとん、フライパンの中で茹でられつつあるすいとんに目を配りながら、タネの残量を心に留めつつ、もちもちぷるんであったか~いすいとんを口に運び、もっちもちとやっていく。タネの残量が心もとなければ、諸々の粉と塩と水をどんぶりに足して練っておく。練りつつ食べ、食べつつ茹で、湯が減ってきたら水を足し、調味料も足し、煮えたであろうすいとんを椀の中へと移動させたり、そのまま口に運んだりする。

焼肉食べ放題とは違って、すいとんにはラストオーダーの時間がない。自由に勝手に思うがまま、食べたいだけ茹で、食べて、おしまい。

タネは余ったら、ラップして冷蔵庫に入れておく。すいとんのタネは寝かせるとコシが出てもっちりのボーナスステージに突入するので、余ったらラッキーだ。明日、ちょっといいことがあるとわかっていると、冷蔵庫のドアを閉める手つきもやや丁寧になる。すいとんに飽きたら魚肉ソーセージを切ったものを混ぜて平たく焼き、チヂミみたいにしてもおいしい。

飽きるほどすいとんを食べ、温まった身体で眠気を感じたら、そろそろコーヒーを淹れなおそう。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

サクラエディタで、テキストファイルの中身をCloud LaTex用に整えるマクロを作った

私は文芸同人誌の入稿用PDFを作成するとき、Cloud LaTexというオンラインツールを使用している。

https://cloudlatex.io/ja

Cloud LaTexを使用すると非常に整った入稿用PDFを作れるのだけれど、その際、普通の原稿(.txt)データに少し手を加えたものを元にすると、もっと手軽に美しく出力できるようになる。

たとえば文内の全角空白すべてに「行頭以外なら全角空白になるが、行頭なら空白にならない記号」を仕込んだり、「――」を「どんなフォントでも繋がるダッシュ2つぶん記号」に置き換えたり。ひと手間加えると、目視で潰すべき粗が減る。つまりミスが減る。

そこでサクラエディタを使用し、「.txtファイルの中身をCloud LaTex用に整えるキーマクロ」を組んでみた。

前提

「りお」さんのnote記事『【Cloud LaTeXで小説同人誌】 #0 Wordと仲良くなれないのでLaTeXを使おう』に倣ってCloud LaTexのベース環境を整えている。

https://note.com/h_rio/n/nbeb39a6e70f6

「ちょっと難しいCloud LaTexをコピペだけで使えるようにしよう」という趣旨で、わかりやすく詳しく解説してくださっている素晴らしい記事。

Wordと付き合いかね、「Word 設定を勝手に変えない」「Word ルビ 重なる」などでWEB検索していた折にたどり着いたこの記事……この記事に出会っていなければ、私はきっと今でもWordと無意味な格闘を続けていただろう。本当にありがとうございます。

マクロでやりたいこと

原稿の本文たる.txtファイルに、以下を反映させる。

  • すべての行頭に全角空白を挿入
  • 行頭以外の全角空白をすべて「\zenaki{}」に置換
  • 「――」を「\jdash{2}」に置換
  • 「!?」や「?!」があれば、縦横中にする

マクロ処理を実行する前にやること

目視で、「!」や「?」のうしろに「全角空白」が入っていることを確認する。

「空白がすでに入っていたらスルーし、入っていなかったら全角空白を入れる」処理もマクロに組み込めそうなものだが、正規表現をコピペでしか使えない私のような人間にはハードルが高い。

どうせマクロを走らせる前に本文を読み返すので、その時に対処すればいいやと思っている。

マクロの本文

サクラエディタのキーマクロで作成したもの。置換方法は前述、「りお」さんのnote1を参照した。

//キーボードマクロのファイル
SelectAll(0);	// すべて選択
LTrim(0);	// 左(先頭)の空白を削除
ReplaceAll('^(?!「|(|『|【|[|《|〈|{|〔)', ' ', 60);	// すべての行頭に全角空白を挿入(字下げ)
ReplaceAll(' \\r\\n', '\\r\\n', 60);	// 空白行の行頭に入った全角空白を削除
ReplaceAll('(?!^) ', '\\\\zenaki{}', 60);	// 全角空白を記号「\zenaki{}」に置換
ReplaceAll('――', '\\jdash{2}', 56);	// ダッシュを記号「\jdash{2}」に置換
ReplaceAll('──', '\\jdash{2}', 56);	// 罫線を記号「\jdash{2}」に置換
ReplaceAll('!!', '\\tcy{!!}', 56);	// !!を縦横中(\tcy{!!})に置換
ReplaceAll('!?', '\\tcy{!?}', 56);	// !?を縦横中(\tcy{!?})に置換
ReplaceAll('?!', '\\tcy{?!}', 56);	// ?!を縦横中(\tcy{?!})に置換
ReplaceAll('??', '\\tcy{??}', 56);	// ??を縦横中(\tcy{??})に置換

拡張子「.mac」で適当な名前をつけて保存。

サクラエディタの[設定]>[共通設定]>[マクロ]から、空いてる番号を選択し、先ほど保存した「〇〇.mac」ファイルを設定する。

以降は、[ツール]>[登録済マクロ]から、登録したマクロが使えるようになる。

おわりに

正規表現に詳しくないため、おおよそを先達ブログからのコピペでまかなっている。

自分の書いた小説を本にするだけなら手動で置換してもよかったのだが、文芸誌の制作をするにあたり沢山の人から多種多様な原稿をお預かりしたことをきっかけに、効率化を図ることにした。

他にもいろんな処理をマクロで便利にしてゆけそうなので、時間が空いたら正規表現について勉強してみようと思う。

参考にしたWEBページ

Thank you sooo much!!!

  1. りおさんのnote連載#3。【Cloud LaTeXで小説同人誌】 #3 本文を LaTeX 用に編集しよう ↩︎

他、サクラエディタ同梱のヘルプファイル「macro.chm」のお世話になりました。

更新

2025-01-30 マクロの本文→ 5行目に「空白行の行頭に入った全角空白を削除」を追加。

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!

できるだけ手間をかけず、YouTube用の動画を準備する

YouTubeに動画をアップロードし始めて1か月くらいの私が、「今はこうしている」という事実を記録するだけの備忘録です。(2024/8/30)

作業環境

  • 撮影:iPhoneSE(第三世代)
  • 録音:iPhone純正・有線イヤフォンのマイク
  • 編集:Windows10/Intel Core i7-7700

使っているアプリ

  • 撮影:「Final Cut Camera」(無料|iPhone)
  • 録音と音の加工:「Audacity」(無料|PC)
  • 編集:「Clipchamp」(無料|PCブラウザ版)

撮影

使ってるのはiPhoneの「Final Cut Camera」という無料アプリ。設定は以下。

  • 1080p(1920×1080)
  • 60fps

私は基本的に手元を映すので、俯瞰撮影ができるスマホ固定台を使っている。

lapsetというメーカーの、3000円弱のやつ。

https://amzn.asia/d/5mglUpU

安いわりに造りがしっかりしている。今のところ機能に不足は感じていない。

録音

撮影しつつ、PCにiPhone純正イヤフォンのプラグを刺して喋る。返しもイヤフォンで聞いている。

録音に使っているソフトウェアは「Audacity」。

基本設定はデフォルトのままだけど、オーディオ設定>品質>【サンプル形式】だけは【32ビット浮動小数点数】に変更。

私はお喋りがメインの動画を作っているので、音声を後から加工しやすいよう、動画と音は別撮り。

例えばVlogのような、環境音込みのコンテンツだったら音を別撮りする必要はないかもしれない。

録音済みの音を加工する

主に音量を整え、ノイズを減らす作業。

音の加工に使っているソフトウェアは、録音と同じく「Audacity」。

Audacityは簡単にマクロが組めるので、目視の不要な作業を自動化できる。今は1)ノーマライズ~4)ラウドネスノーマライズまでを自動化している。

以下はマクロに設定してる作業の順番と、現状の設定メモ。

1)ノーマライズ

場所|エフェクト>音量と圧縮>ノーマライズ

デフォルト設定+「ステレオチャンネルごとにノーマライズ」にチェックを入れて適用。

全体音量が、ほどよい塩梅で上がる。

2)コンプレッサー

場所|エフェクト>音量と圧縮>コンプレッサー

デフォルト設定のまま適用。

声がちょっとクリアに、強調される気がする。

3)グラフィックEQ

場所|エフェクト>イコライザーとフィルター>グラフィックEQ

まずはユーザー設定内の「ファクトリープリセット」にある【低域ブースト】を選択する。

私の場合は【低域ブースト】を適用するともっとも声が聞き取りやすくなるけれど、これは声質それぞれであろうと思われる。

低音域をカット

20Hz-80Hzをカット(目盛りを0dBまで下げる)。

20Hz-80Hzをカットするのは、ここが一般的な家庭用スピーカーではきちんと再現されない音域であり、かつノイズの乗りやすい音域でもあるから……らしい1。確かに、ここをカットするとノイズが減る。

その理屈でいくと同じく普通のスピーカーでは再現されない超高音域(20kHzとか)もカットすればよりクリアな音になるのではと思ったのだが、高音域をカットすると何故だか声が妙に遠くに聞こえる。

物理法則ゆえか、収録環境ゆえか……理由は特定しかねている。

子音を立てる

1kHz〜2kHzを+3dB

やや高い音が強調され、ちょっと滑舌がよくなったように聞こえる1

4)ラウドネスノーマライズ

場所|エフェクト>音量と圧縮>ラウドネスノーマライズ

値を-14.0にして、適用。

ボリューム調整作業の一環。YouTube公式が公開している推奨値に合わせている。

ここまでがマクロで自動化している作業。

5)ノイズ低減

場所|エフェクト>ノイズ除去と修復>ノイズを低減

ステップ1 → 無音の場所を選択して「ノイズプロファイル取得」。

ステップ2 → 全体を選択して「OK」。

ステップ2で使用している設定は以下。

  • ノイズ低減:12dB
  • 感度:9.00
  • 周波数平滑化(バンド):0

数値は先達ブログ2の受け売り。

気をつけているのは、ノイズ除去、とくにホワイトノイズの除去には神経質になりすぎないこと。

最終的にBGMを被せたらほとんど気にならなくなるし、大抵の人はただのお喋り動画を超大音量で聞いたりしない(ような気がする)。

6)音を書き出す

場所|ファイル>オーディオをエクスポート

ファイル形式は.wavを選ぶようにしている。mp3よりちょっと音がきれい。

【対策】Audacityが頻繁にフリーズする。

私の場合は、これを試したらあっという間に症状が改善した。

https://taira-komori.jpn.org/imefix.html

動画編集

映像と音がそろったので、無料ブラウザ版の「Clipchamp」で、これらを合わせ編集していく。

映像と音のタイミングを合わせる

映像、音ともに、喋り出し前の空白をできるだけカットしてから、手動で合わせる。

私は顔を映さないので、ちょっとくらいズレてもあまり気にならない。

不要な場所をカット

だいたいタイミングが合ったら、映像側の音をミュートし、作業スタート。

動画のテンポをアップするため、不要な箇所をカットして詰める。コツコツ手動。

できるだけ手間をかけたくないので、明らかに噛んで言い直していたり、「あー」とか「そのー」とかを延々と言い続けていたりするとこ以外は基本的にそのまま。

多少の無言は、このあと追加するBGMが埋めてくれる。

字幕(テロップ)

Clipchampの無料版で使える日本語フォントは、ゴシック/太めでポップなゴシック(Dela Gothic One)/明朝体の、3種類。

私はほとんど字幕を入れないが、入れるときは濃い色/太め/白アウトラインを選ぶことが多い。

BGMを追加

音源については、BGMerのお世話になっている。

https://bgmer.net

よい意味で尖りすぎていない、安心感のあるBGMが揃っている。

音量は、Clipchamp上の表記でいうところの【メイン音源100%:BGM5%】くらいに設定。

お喋りのテンションが高めの人は、もう少しBGMの%を上げてもいいかもしれない。お好みで。

動画を書き出す

Clipchampの左上にある「エクスポート」を押し、画質を1080pに指定して、待つ。

YouTubeのサムネイルを作る

書き出された動画から、ほどよいワンカットを選ぶ。スクリーンショットを取り、文字を乗せる。

アップロード

YouTubeにアップロード。概要欄には必要に応じてクレジットを入れる。

こんな感じの動画になる。

おわりに

設備投資をほとんどしていないので、そのうち有料のソフトフェアを導入するかもしれない。

最初にお金をかけるなら、私は動画編集ソフトかな~と思っている。今使っているClipchampは無料だし操作がわかりやすいし最高だが、いかんせんメディアのインポートに時間がかかりすぎる。もっとカジュアルに編集に取り掛かれるようにしたい。

参考にしたWEBページ

Thank you so much!!!

  1. SOUND HOUSEコラム すぐに役立つプロの音声の作り方 – 初級EQ編 – ↩︎
  2. 無料効果音で遊ぼう! ノイズの低減~Audacityエフェクト解説~ ↩︎

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!